皆さん、定期的に健康診断を受けていますか?
おそらく多くの方が、年に1回、あるいは半年に1回など、定期的に受診していると思います。
では、その健康診断の結果には「有効期限」があると思ったことはありますか?
「1年間は有効でしょ?」
「半年ごとに受けてるから安心!」
そう思ったあなた。実は、その認識は危険かもしれません。
なぜなら、健康診断の結果の有効期限は「0秒」だからです。
「えっ、そんなバカな!」と思うかもしれませんね(笑)。
でも、これは紛れもない事実なんです。
健康診断の結果を受け取った瞬間、それに書かれているのは「過去のあなたの健康状態」であって、「今のあなたの状態」ではないんです。
たとえば、診断結果が「異常なし」だったとしても、翌日、いや、その結果を開いた次の瞬間には何かが変化しているかもしれない。
つまり、健康診断のデータは、あくまで「過去のスナップショット」に過ぎず、「現在の健康」を保証するものではないんですね。

『調査データにも「有効期限」がある?』
実は、この話、マーケティングリサーチにも当てはまるんです。
アンケート調査や市場調査のデータも、収集した時点では確かに「真実」です。
しかし、データを集計し、分析し、報告書が完成して関係者の手元に届く頃には・・・
その「真実」がすでに変わっている可能性がある。
なぜなら、世の中は常に変化し続けているから。
✔消費者の意識や行動は、日々変わる
✔トレンドは加速度的に移り変わる
✔競争環境や外部要因も流動的

市場調査のデータも、健康診断と同じく「過去の瞬間を切り取ったもの」に過ぎません。
だからこそ、調査のプロは「変化の可能性」を常に意識してデータを見ることが求められます。
「このデータは、今後どう変わるのか?」
「この数字の裏にあるトレンドは?」
・・・こうした視点で考えることが、リサーチ結果を本当に活かすためのカギになるのです。

『データを「未来志向」で読む習慣を!』
「報告書に書かれていることがすべて」ではありません。
むしろ、データを受け取った瞬間から、「これから何が起こるのか?」を考えることが重要です。
もちろん、時系列調査や予測調査といった手法を使えば、未来の変化をある程度見通すことも可能ですが、その話はまた別の機会に。
まずは、目の前のデータを「過去の記録」として受け取るのではなく、「未来を考えるヒント」として活用するという意識を持つことが大切です。
健康診断の結果も、調査データも、「今の自分」を保証してくれるものではない。
大切なのは、その「先を読む力」なのです。

「エッセイ(07)『一次情報に当たれ!』」➩

⇦「エッセイ(05)『念仏を唱えよ!?』」


弊社へのご連絡は「お問い合わせ」メールをご利用ください。