エッセイ(20)『質問力を磨け!』
今日は、リサーチの極意についてお話しします。
リサーチと一口に言っても、その手法はさまざま。
たとえば、個別インタビュー、グループインタビュー、アンケート調査などがありますね。
それぞれに特徴があり、状況に応じて使い分けられるのが普通です。
でも、どんなリサーチ手法にも共通するポイントが一つあります。
それは、「質問する」ことです。
『質問がなければ始まらない』
リサーチとは、対象者から何らかの情報を引き出す行為。
そのため、質問しないことには始まりません。
一対一で直接質問する、グループに対して投げかける、アンケート用紙に書かれた項目に答えてもらう…。
形式は違えど、質問がベースになっているのです。
そして重要なのは、調査対象者は質問されたことにしか答えないという点です。
さらに言えば、質問の仕方によって得られる回答も変わる可能性があります。
ですから、「何をどう聞くか」がリサーチの成否を左右すると言っても過言ではありません。
『アンケート調査での質問力の重要性』
特にアンケート調査では、質問紙の内容がプロジェクト全体の成否を決めると言われています。
たとえば、こんな工夫が必要です:
• 的を絞った質問で、正確な回答を得る
• テーマの周辺情報を引き出すための補足的な質問も加える
• 質問が誤解されないよう明確にする
• 誘導質問にならないよう配慮する
• 難解すぎず、誰でも答えやすい言葉を使う
こうしたチェックポイントをクリアして初めて、良質な質問紙が完成します。
『「観察調査」という例外』
一方で、「何も質問しないリサーチ手法」もあります。
それが観察調査です。
観察調査では、質問によるバイアスがかからず、得られる情報の範囲も限定されません。
しかし、観察調査でも調査終了後に「先ほどの行動について、どう感じましたか?」などと質問を加えることがあります。
つまり、最終的にはやはり「質問力」が重要な役割を果たすのです。
『質問力はリサーチの生命線』
リサーチの結果を左右するのは、どんな手法でも質問力ということになります。
上手な質問が、正確で価値ある情報を引き出します。
リサーチャーにとって質問力は、まさに最重要スキル。
あなたのリサーチ力をワンランク上げるために、ぜひ「質問する力」を磨いてみてくださいね!