はじめに──「所有」の問いが経営の本質を問う

「会社は誰のものか?」

この問いは、ビジネスの世界において繰り返し議論されてきました。
株主のものなのか、社員のものなのか、あるいは顧客のものなのか。
この問いに対する答えは、企業経営の姿勢や意思決定の根幹に関わる問題でもあります。

株主の視点──資金提供者は所有者か?
起業時に資金を出すのは株主です。
だから「会社は株主のものだ」と考えるのは一見もっともに思えます。
しかし、株主が出資した資金は、それ自体では何の価値も生みません。
ただ机の上に置いてあっても、お金は一円も増えないのです。

社員の役割──付加価値を生み出す原動力
お金を動かし、事業として機能させるのは社員です。
商品を設計し、サービスを提供し、業務を遂行する。
すべての付加価値は、社員の知恵と努力によって生み出されます。
まさに、会社の“中身”をつくるのは社員だと言えるでしょう。

顧客の存在──価値を完成させる最後のピース
どれほど優れた商品やサービスも、それを買ってくれる顧客がいなければ無意味です。
価値は提供した瞬間ではなく、「受け取られた瞬間」に初めて成立します。
では、顧客が一番偉いのでしょうか?
実はそうとも限りません。
社員は「誰に何を届けるか」を見極め、顧客を選びます。
すべての人に受け入れられる必要はなく、自社の強みが最も発揮できる顧客に集中すべきなのです。

三者の共存──株主・社員・顧客の関係性
株主がリスクを取り、社員が価値を生み出し、顧客が価値を受け取る。
この三者は対立する存在ではなく、相互依存の関係にあります。
どれか一方が欠けても、会社は成り立ちません。
つまり、会社は「誰か一人のもの」ではなく、三者の協力によって動いている「共創の場」と言えるのです。

社会という視座──企業は誰のために存在するのか
企業は社会の中で活動しています。
利益だけを追求する存在ではなく、社会からの信頼と共感を得て、初めて持続可能になります。
素晴らしい理念で始まった事業であっても、それが社会に受け入れられ、貢献する存在になったとき、企業は単なる私的な存在ではなく、社会の財産となります。

結論──「会社は社会のものである」
会社は、株主だけのものでも、社員だけのものでも、顧客だけのものでもありません。
あえて言うならば、それは「社会のものであり、社会全体の財産」なのです。
だからこそ、企業は誇りを持って社会に価値を提供し、未来に責任を持たなければなりません。

わが社は、こうした考えのもとに邁進しています。
今後ともご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

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