今回もアンケート調査についてのお話です。
✔ふたつの異なる内容を一緒くたに質問し、そのまま集計・分析した
✔定義があいまいなまま調査を実施し、そのまま集計・分析した
✔サンプル数が少なすぎるのに、無理やり多重クロス集計した
・・・もし、こんな調査をしていたら、いったいどうなるでしょう?

答えは簡単。
「ゴミをいくら分析しても、ゴミでしかない!」
どんなに高度な分析手法を駆使しても、元のデータがズレていたら、どれだけ頑張っても「信頼できるインサイト」は生まれません。
「実査の質が悪ければ、分析の質も悪くなる」
これはリサーチの鉄則です。

『分析にこだわる前に、実査の質を見直せ!』
もちろん、データの詳細な分析は重要です。
だからこそ、あらゆる統計手法やデータマイニング技術が存在します。
でも、最近の傾向として、どうも「実査」よりも「分析」にばかり重きを置く風潮があるように感じます。
✔データが少なくても、AIや統計処理でなんとかしようとする
✔アンケートの設計より、分析ツールの高度さが議論される
✔とにかく数字が出ればOK、という姿勢になりがち

でも、ちょっと待ってください!
そもそもデータが間違っていたら、どんな分析をしても「意味がない」ですよね?
これは、料理で例えると分かりやすいかもしれません。
新鮮な食材(=正しいデータ)があれば、おいしい料理(=価値ある分析)が作れます。
でも、傷んだ食材(=不適切なデータ)を使ってしまったら?
どんなに優れたシェフ(=分析者)でも、おいしい料理にはなりませんよね。

『基本に立ち返ることが、最強のリサーチになる』
データ分析の技術が進化し、AIやビッグデータがもてはやされる時代だからこそ、「調査設計の基本」を見直すことが大切です。
✔質問設計は適切か?
✔定義は明確か?
✔対象者は適切に選ばれているか?
✔必要なサンプル数は確保できているか?

こうした「当たり前」のことを、徹底することが本当に価値あるデータを生み出します。
結局、リサーチの成功は、「データの質×分析の精度」で決まるのです。
どちらか一方に偏ってもダメ。
だからこそ、「調査設計をおろそかにしない!」という意識を、これからも大事にしていきたいですね。

「エッセイ(05)『念仏を唱えよ?』」➩

⇦「エッセイ(03)『アンケート調査レポートは、裏から読め!』」


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